百菌知っても飽き足らない佐藤豊三(さとうとよぞう)です。
東京品川で生まれ成人しましたが、つくばでの生活が倍近くになりました。
小学校時代、父親におもちゃの顕微鏡を買ってもらい、ミクロの世界に目覚めました。中学校の夏休みの自由研究では、バクテリアを培養しようと寒天培地を作ったのですが、意に反してカビがわんさか生えてきました。そこで、例の顕微鏡で彼らをスケッチして提出しました。高校時代はラグビーの練習と試合に明け暮れながら、グランドの土壌菌に慣れ親しみました。進学した東京教育大学と筑波大学の博士課程ではさび病菌(下図参照)を研究して学位を頂きました。
修了後、就職した東京都では小笠原亜熱帯農業センターに配属され、熱帯果樹に適した土壌・肥料について研究するかたわら、島の菌類相を調べ後にリストを出版しました。小笠原諸島が世界自然遺産に登録される際、これが参考にされたとのことです。
その後、農業環境技術研究所に移籍し、次いで四国農業試験場から農業生物資源研究所(のちに農研機構に編入)と異動し、その間一貫して植物病原菌類を研究してきました。また、東南アジアや南米で病害防除などの技術協力も行いました。約30年間の研究の集大成として、日本植物病名データベースを構築して関連サイトとリンクを張り、1000以上の菌株を農研機構ジーンバンクに寄託したほか、5000以上の写真データを同ジーンバンクの微生物画像データベースに提供しました(3件とも閲覧可能)。
農研機構を退職後、2018年新設の新潟食料農業大学で植物病理学や微生物学関連の講義、実験・実習、卒論研究を担当し、3年半の任期を務めました。現在は、薬用植物資源研究センターで薬草病害の調査・研究を続けています。
実は以前から「顕微教」の教祖も務めていますが、まだ信者は数名しかいません。お布施代わりにきれいなカビの写真をお見せ頂ければ、どなたでも入信歓迎です。
どうぞよろしくお願いいたします。